山鳩メッチが伝えにきたコト


共に暮らした雄の山鳩メッチ。

メッチは巣立ちに失敗し

車やバイクも通る道路で

焦りながらバタバタしていました。

夫と私にとっては

駅まで行くいつもの道。

 

夫は道の端を見つめながら

 

夫「いつも家に来る茶色い鳥がいるよ」

私「えっ?」

 

よく見ると怪我をしている様子。

近づくと慌ててパニックになり

道路に飛び出したりとかなり危険。

夫は着ている上着をふわっとメッチの上に。

さずか夫の機転は見事に

メッチを捕まえることができました。

 

やはりメッチは左羽に

怪我をしていました。

 

上を見ても巣は見つからず

親鳥もいない様子。

このままではと思い

鳥好きの夫と私はメッチを

保護することにしました。

 

怪我が治るまでね・・・と

思っていたのですが

 

なんとその後10ヶ月共に暮らし 

メッチは野生に戻りました

この偶然が引き起こした出逢いに

「野生の鳥と人間が 

 恋人のように 

 こんなに仲良くなれるんだ」

いくら鳥好きとはいえ

私自身とても驚きました。

この偶然の出逢いは はてなマーク

 

巣立ちに失敗し 

傷ついた羽を癒しながら
共に暮らした山鳩メッチは 

 

「なにを伝えにきてくれたのだろう!?

 

再びそのことを探りたくなり

連載をはじめました。

 

お付き合いいただけたら嬉しいです!!

どうぞよろしくお願いいたしますラブラブ

 

 

 「山鳩メッチが伝えにきたコト」は 

メッチが伝えにきてくれた物語です。
 

  

はじまり〜はじまり〜!! 

 


ここに  

来たかったんだ 。


あのまま 

ほっとかれても

きっと 

 

ここに来たよ 。


ボクはどうして 

ここにいるんだろう。
ちょっとそんなことを  

考えていたんだ。

お父さんとお母さんは  

元気かな?
きょうだいは  

今頃  

大空を飛んで
美味しいものを  

食べてるかな?


そんなことを  

考えていただけ。

ボクは今  

羽が傷ついている。
だから  

大空を飛ぶことは出来ない。


でも

  

もし

  

この網戸を開けたら
羽が

傷ついていることを

すっかり忘れて
大空に向かって  

飛ぼうとするかもしれない。


飛べないのは  

わかっていても…


また下に落ちたら  

今度こそ 

命を  

失ってしまうかもしれない。
敵に  

さらわれてしまうかもしれない。

だから  

網戸は開けないで。


今  

こうしているのは
ただただ  

風と雨を

感じていたいだけなんだ。


ボクのこと 

怖くないんだね。


どこから来たか 

わかる?

想像も出来ないぐらい
遠いところからだよ。

どこって?


それは 

そのうちわかるよ。

ボクに聞きたいことが
いっぱいあるのは 

わかってるよ。

でも 

今はなにも聞かないで。


ボクがここにいることだけ
ただそのことだけを 

みつめていて。


どうしてボクは 

ここにいるのかな。

 

それって 気になる?

 

ボクは気にならないよ。

 

でも・・・

巣立ちに失敗したときは

ちょっとだけ怖かったんだ。

 

人がたくさんいる道の上を 

傷ついた羽を 

バタバタさせながら

あちらこちらに逃げたり

車にひかれそうになったり

人間にも踏まれそうになった。

 

なんで巣立ちに

失敗しちゃったのだろう。

お父さんとお母さん

きょうだいたちは

どこに

行ってしまったのだろう。

 

でもね 

ここにきて

気がついたんだ。

 

ここに来るために 

巣立ちに失敗したということを。

 

そのことに気がつくのに

そんなに時間はかからなかったよ。

 

ボクの足がプルプル震えていたのは

怖いからじゃなく嬉しかったんだ。

 

ここにいることに

ボクはとても喜んでいるってことに

わりとすぐに気がついたんだ。


お父さんとお母さんに 

ご飯をもらっていた時のことを
思い出しているわけじゃないんだ。

 

お母さんに

 

「こっちにおいで」

 

って言われて 
巣から飛び出た瞬間 

そのまま下に落ちちゃった。

 

空も見えなくなって。
お母さんの声も 

聞こえなくなって。


聞こえてくるのは 

人間の足音ばかり。

 

少しして 

違う足音が聞こえてきて 
大きな手が 

ボクを捕まえたんだ。

 

捕まえられた時 

ボクは

 

「知ってる! 

 知ってる! 

 この手の中!」

 

って感じていたんだ。

 

いつだったかなぁ…

どこだったかなぁ…


この手の中に 

いたことがあるって

そのことを今 

思い出そうとしているんだ。


ボクは 

翼を持っている。
だから飛べるはず…だった…

でも…飛べなかった。

 

ボクは 

お母さんの後についていって
大空を飛ぶつもり…だった…

でも…飛べなかった。

 

左羽の傷を見て!


こんなに大きい傷なんだ

落ちた時に 

傷つけたと思ったでしょ?!


違うんだよ。

 

この傷は 

ボクがここに来る 

約束のしるしだったんだ。


ボクが今欲しいモノは 

ご飯じゃなくて
水浴びだってこと 

わかってくれたんだね。

 

人間のように 

頭の上から

水のシャワーを

かけられたら
ボクは 

グッタリまいっちゃうよ。

 

ボクは 

少しぐらい

濡れても大丈夫だけど
たくさんは

濡れたくないんだ。

 

なぜだかわかる?


羽が重たくなって 

飛べなくなるんだ。

 

ここでは 

あっちにこっちにと

飛ばなくてもいいんだけど
それはやっぱり

心地よくないんだ。

 

こうやって少しずつ

体に水をかけるのが 
ボクにとっては 

最高に心地いいんだ。

 

心地いいって 

すっごく大切なことだよ。

 

それは 

人間も同じだと思う。 


ボクたち山鳩も 

それぞれに心地よさが違うけど
人間だってそうだよね。 

 

だからそれぞれの

心地よさを

見つければいいんだよ。


このコルクの蓋 

ボクの足にちょうどいいんだ。
居心地のいい場所を 

やっと見つけたよ。
 
居心地がいいことが 

すべてだね。
それは 

快とか不快ということではなく
心が無邪気に

喜んでいるかどうかということなんだ。

 

この家の中を 

あっちこっち歩いて飛んで
いろいろな場所に 

とまってみたけど
ここが一番 

居心地がいいんだ。

 

すごく不安定に

見えるかもしれないね。


買ってきてくれた 

木の棒のほうがいいのにって
思っているだろうね。

 

人間が思うことと
ボクが感じていることは
いつも同じじゃないんだ。

 

でもね 

違っていてもいいんだよ。

 

ここに立ってみなよ。


ボクが言っている 

居心地の良さが
わかるかもしれないよ。


ボクは

土の匂い…大地の匂いが 

一番好きなんだ。

 

大地の匂いが

どんな匂いか 

すぐに感じとれる?


ボクは 

ここに案内されなくても
大地の匂いは 

すぐにわかったよ。

 

ボクに 

立派なお家を

買ってくれたけど
ごめんね 

あのお家はいらない。


ボクは 

ここが好きなんだ。 

 

足の裏に感じる土
そして葉っぱの匂い
それがあれば 

あとはなにもいらない。

 

人間は本当に

たくさんの品物を

持っている。


それは 

全部必要なの?

 

そんなに

多くの品物は 

いらないと思うんだ。


気になってしょうがないんだ。


どうしていつも

黒ごまと白ごまの

両方をくれるの?


ボクが

白ごましか食べないのを
何度も何度も 

見てるよね。

 

どんなにたくさんの 

黒ごまと白ごまを置かれても
ボクは白ごましか

食べないんだ。

 

人間はお料理の

見た目の美しさなどで
黒ごまと白ごまを 

使いわけるけど
ボクは

黒色が嫌いなんだ。

 

人間が 

黒ごまと白ごまの
どちらも食べられるのとは 

違うんだ。

 

お母さんに

教えてもらってないけど
黒色が 

危険な色だってこと
ちゃんと 

知っているんだ。

 

なぜだかわかる?

 

ボクたち山鳩族に 

受け継がれている 

本能なんだ。


本能の赴くままに 

動いているだけなんだ。


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

「デデポッポー、デデポッポー」

 

時代劇では

効果音のひとつとして

わりと頻繁に使われる

山鳩の鳴き声。
山鳩は日本人にとって

古くからのお友達なのです。


山鳩はキジバトとも言いますが

名前の如く

本来は山に生息している鳥です。
でも今はもはや

東京のど真ん中にも

たくさんの山鳩が

生息しています。


冬以外は、わりと頻繁に

鳴いているのですが
その声を意識する人は

少ないようです。

 

小さい頃から

鳥が大好きな私ですが
中でも

身近にいる野鳥の山鳩は

かなり縁深い鳥なのです。


はじまりは、十数年前に

巣立ちに失敗した山鳩のヒナを

保護したのがキッカケ。
まだ巣立ちには

ちょっと早かったようです。


ヒナがバタバタしている

上を見ても

巣らしきものはなく
親鳥の姿もありませんでした。


家に連れて帰り

その日から10ヶ月
その山鳩と共に暮らしました。

 

『野生の鳥と人間が

 こんなにも仲良く

 なれるものなんだ』

 

ということを

体験させてくれた山鳩。

 

『名前はメッチ。性別は雄。』

 

メッチはなにかを

伝えにきてくれていました。

 

なにを・・・?!

 

その答えを探る旅は

まだまだ続きます

 

 

 

写真はメッチではありません


ボクのこと
知ってるよね。


ボクはキミのこと
知ってるよ。

 

キミは初めて
ボクと逢ったって
思っているかも
しれないけど

ボクたちは
ほらほら

古に一緒に
いたじゃない。

 

よく見て!
知ってるでしょ?!


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

 

《縁深い野鳥・山鳩 (トルコ編)》

 

 

「デデポッポー、デデポッポー」

 

大好きだから

山鳩の存在がわかるのか
山鳩が好きなことを知っているから
私の前に現れるのか
それとも・・・

理由はわからないのですが
その縁は国内を飛び出し
エジプトでもトルコでも
山鳩が私の目の前に

飛んできました。

 

無意識・・・

「感じる」ということは
目に見えるものだけを

「感じる」のではなく
目に見えないものをも

「感じる」ことこそが

無意識なのだと思います。

 

山鳩がどこにいても

私の目の前に現れる。
山鳩が感じていることは

目には見えないし
語りあうことも出来ません。
でも、無意識の中のなにかが

山鳩と私を

繋いでいるのでしょう。


もしかしたら・・・

ひょっとたら・・・

いや、きっと

山鳩と私は

共通言語を

持っているのかも知れません。

言葉ではない言葉を。


などと、ふと

思ったりしています。


 

 

写真はメッチではありません

トルコの山鳩です


 

連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

 

ーーー

 

 

《縁深い野鳥・山鳩 (エジプト編)》

 

「デデポッポー、デデポッポー」

 

見慣れた風景や

なにも感じ得ない

風景の中に
例え小さい鳥でも
野生の生きものが

現れた瞬間
風景に

新たな色と香りが添えられ
優しさと

心地よい緊張感が生まれます。

 

トルコで山鳩と

出逢った時も
エジプトで山鳩と

出逢った時も


「そこにいたんだぁ~」


心の中で話しかけていました。

 

日本で

いつもの見慣れた風景の中に
山鳩が

どこからともなく現れても
やはり同じことを

話しかけています。

 

私にとっていつからか
山鳩は姿が見えなくとも

『いつも一緒』であり
意識しなくても
そのことを

『感じ続けている』のです。

 

地上を歩くものと

羽を持つものの
目には見えない

『感じる』交流は
ずっとずっと

続いてきたことであり
今も

続いていることであり
これからも

続くことであると
強く確信しています。

 

 

 

写真はメッチではありません

エジプトの山鳩です


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

《縁深い野鳥・山鳩 (日本編) 》

 

「デデポッポー、デデポッポー」

 

野生の生きものは、
一瞬にしか生きていない。


その凄さが
風景に緊張感を

与えるのだと思います。

 

そして、私にとって
山鳩の重低音の声は、
現実とは別の
もう1つの時間の流れを
教えてくれているように
聞こえるのです。

 

写真の山鳩も

偶然出会いましたが
その偶然の一致に
意味を見いだすのか
一笑に伏してしまうのか
それは、かなり大切ななにかと
関係しているように思うのです。

 

 

写真はメッチではありません


 連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

「デデポッポー、デデポッポー」

 

神経質なところがあるけど
いたってマイペースな

キミたち山鳩。


あっ! 

 

山鳩って

総称して言ったらダメだよね。
キミたちにも

それぞれ個性があるもんね。


ぜんぜん神経質じゃない

山鳩も知ってるよ。


カレは

かなりおっちょこちょいだった。


なんで知ってるの? って。


それはね

キミたち山鳩の一族と
いっしょに

暮らしていたことが

あるからだよ。

 

 

写真はメッチではありません


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

幼少の頃から

鳥と共に生活していたせいか

私は自分で

鳥族だと思っていま〜す(笑)

 

その中でも

身近にいる山鳩とは

かなり縁深く

古から

一緒にいたと思っているほど。

 

なぜって?

共に暮らしたことがあるからです。

 

冬は、あの独特の

 

「デデポッポー デデポッポー」

 

という声は聞こえませんが

気配を感じて見上げると

何気にいつも

そばにいてくれるのです。

 

春になりましたね。

「デデポッポー デデポッポー」

という恋の歌に

耳を傾けてみてくださいね。

 

あなたの恋も

はじまりはじまりイエローハーツ

 

 

写真はメッチではありません


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

グアム島では

友人のお家に

お世話になっていたのですが

古からのお友だち山鳩が
ちゃ~~んとそばにいてくれました。


早朝の訪問者は

 

「いつもいっしょだよ」

 

何気に「いつもいっしょ」

にいることの大切さを

毎朝伝えにきてくれました。

 

 

写真はメッチではありません

グアムの山鳩です


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

グアム島での一コマ。

 

海に行こうとした時

いきなり目の前に

山鳩が仁王立ち。

 

私の顔をジッと見て
なんの脈絡もなく

羽のお手入れ。

 

えっ?! 

もしかして

もしかして
私に、プロポーズ直前?!(笑)

 

 

写真はメッチではありません

グアム島の山鳩です


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

誰もいない公園の昼下り。
突然、どこからともなく
山鳩が舞い降りてきました。
野生の出現は

たったそれだけで
のどかな風景に
心地良い緊張感が生まれます。

 

 

 写真はメッチではありません


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

「デデポッポー デデポッポー」


山鳩の声で目覚める朝。

 

カーテンを開けると

お気に入りの樹の上に。

 

古からのお友だちは

いつも見守っていてくれます。
その姿を見る度に

お互い触れあうことはないけれど
意識の触れあいを強く感じて

温かい気持ちになります。

 

「デデポッポー デデポッポー」

 

ありがとね。

 

 

写真はメッチではありません 


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

朝陽を

全身であびている

キミは
いつもの衣が

少し朝陽色になって

美しい

   

デデポッポー

デデポッポー

 

いつもの愛の詩をありがとう

 

 

写真はメッチではありません


連載はひと休みで

ちょっとカフェタイムコーヒー

 

ーーー

 

「ただいま」

「おかえり」

 

この世で一番美しい会話。

 

 

写真はメッチではありません