言葉と写真

 

 

 

 

拒み続けた想いは

匂いたつ空に従う

 

 

 

 

いつかわしたのか
わからない約束が 
こぼれおちていた

 

 

 

 

今日また 

愛を蒔く

 

 

 

 

 

あの日の
ちいさな
ささやき
風の中に
居坐わる
晴の午後

 

 

 

 

ドアノブに 
手をかけた
優しい光が 
手をつつみ
枯れぬ想い
抱きつづけ
まよわずに
扉を開けた

 

 

 

 

風が運んできたモノは
慣れ親しんでいる味を
ほんのすこし甘くする

 

 

 

 

でたらめな優しさ
はじけとびだす空
アナタとワタシに
観えるカタチの中
想いをつまみだす

 

 

 

 

無口な想い出が 
語りはじめた朝

 

 

 

 

川面に写る
くもを食べ
鴨は明日に
夢をたくす

垣根の向う
音がひとつ
またひとつ
遠き昨日に 
夢をつける

買い物袋を
両手に抱え
うつむく姿
弾ける音符

堪えきれず
笑い声蒔き
家につく頃
袋の中身は
今宵の約束

夕焼小焼の
口笛の中に
幸せの種が
こぼれてる

 

 

 

 

質問のない答を
地中海の夕陽が
大きくのみこむ
夕陽はポストの
大きな口となり
すべての答すら
のみこんでいく
抱きあい頬ずり
珈琲を飲みほし
海に影絵が浮き
終わりのこない 
美しい絵巻物は
どこまでも続く

 

 

 

 

緑色の鳥が
甲高く鳴く
でこぼこの
滑稽な石畳
ジグザグに
風が動く道
緑色の鳥は
頭を一振り
体を二振り
たちまちに
姿を変えた
金色の鳳凰

 

 

 

 

自転車のかごの中
リンゴナシバナナ
バナナは三時間後
ナシはそのままに
リンゴは三週間後
どんな想いも味も
すべて味わう食後

 

 

 

 

あなたの 
地平線は 
何色かな

あなたと
わたしの 
地平線は  
何色かな

あなたの
肩を揉む
あなたの
髪を切る

ふたりの
地平線は  
そんな色

 

 

 

 

影をもちつづける男は 
影をもたぬ女を愛した
影をいつももたぬ女は 
影をもちつづける男を
どこまでも愛している

 

 

 

 

ひだりの頬を
優しく撫でる
ひと筋の風は
みぎの頬にも
静けさという
おくりモノを
落としていく

 

 

 

 

ただそこに愛する人がいて
ただそこに大切な人がいて
ただそこに楽しき友がいて
そんな言葉が溢れ流れてる

 

 

 

 

すれ違う人
肩に揺れる
ひとりごと

バスに乗り
隣町で下車
ひとりでに
歩き出した
ひとりごと

渇いた声は
嬉しさ讃え
溢れる水が
美味しいと
ひとりごと

 

 

 

 

スニーカーの紐がきつい
パジャマのゴムがゆるい
小枝が揺れるその先には
今日の眼差しへのご馳走
いただきますと食べ続け
紐もゴムもちょうどいい
なにかをひとつ知り始め
ひとつの物語が動きだす

 

 

 

 

急ぐ足どりに向かい風
時計を天高く放り投げ
風とどこまでも力比べ
葉書が一枚落ちていた
雀が宛名を書きはじめ
わたしにと受けとった
進入禁止で折りかえし
家に戻ればお花畑の中
白紙のハガキの裏には
たくさんの風の足あと

 

 

 

 

深まる秋の色
暮れゆく気配
肩を寄せ合い
ほほ笑みあう

 

 

 

 

歩きます
赤信号で
止まろう
歩きます
青信号を
待ちます
歩きます
素うどん
食べます
半分食べ
月見へと
かわった
歩きます

青信号で

歩きます

 

 

 

 

夢から目覚め
窓を開けると
おおきな羽が
いちまいだけ
そこにあった 

それは鳩の羽
いつきたのか
ここでなにを
していたのか

孤独だったか
仲間といたか
家族と共にか

手の平の羽は
ことこまかく
教えてくれた

羽のなかには
礼儀ただしい
親切心がある

 

 

 

 

頭上にオウムを乗せたワニが
大きな口を開けてやってきた
太陽も雲も輝き風景が美しい
人々の透明な煌めきが美しい
暮らしとはこんなにも美しい
オウムが夢心地の顔で寝入る

 

 

 

 

遠い日々の声が
今の声に変わり
明日は目覚まし
閉じたノートは
21ページ目から
書きはじめよう
遠い日々の声は
未来から近づく

 

 

 

 

つまんだ愛おしさは
巨大な光の柱と化し
吐息を我慢しながら
深い抱擁を繰り返す

 

 

 

 

風を心に感じつづけ
風が消えるのを待つ
強風に負けず花一輪
静かに手の上にのせ
ゆっくり顔を見つめ
風の道の歩きかたを
大声で教えてくれる

 

 

 

 

遠い記憶に
刻まれた声
静かに歩き
注意深くも
触れ戯れる

 

 

 

 

くるくるまわる空気
森のスクリーンには
多くの人の笑いと涙
男の欲望と女の意地
虫の足音と鳥の羽音
過ぎ去った日に愛撫
手のひらに黄色の葉
秋だと囁く彼方の声

 

 

 

 

大きい人と握手し
小さい人と内緒話
なにやら手渡され
なにやら手渡した
どうやら自由自在
同一人物のようだ

 

 

 

 

古から男と女は
光の世界でしか
語れない言葉を
持ち抱えている

 

 

 

 

人の気持ちは
風と共にある
それを人々は
秋と呼びだす

 

 

 

 

目の前の道には
尾をふりふりと
セキレイが歩く
目の前の木には
ででっぽっぽー
山鳩が歩きだす
目の前の椅子に
賢くも凛と佇む
白鷺が降りたつ
風と共にある鳥
鳥達とわたしは
風の香りを着る
そんな日だった

 

 

 

 

むいたバナナの皮3枚の日
通り過ぎる人のざわめきは
にせものの星に吸いこまれ
バナナの皮は時計の針3本
時は豆をついばむ鳩と共に
甘くて柔らかい便りを刻む
なにも拒絶することはなく
必要以上に律儀に受けとる

 

 

 

 

川に吹く気まぐれの風
人々の笑いをのみこみ
ビルの谷間を駆け巡る
誰かが指さすその先に
大きな虹がはきだされ
指にとまれと騒ぎだす
川も騒ぎ指にとまると
虹は地上に降りたった
内側へと向かう孤独は
外側に向かう情熱へと
ひっそりと姿をかえた
気まぐれの風は微笑み
世界の律動と呼応する

 

 

 

 

手を繋ごう
共に歩こう
笑いあえば
今が変わり
明日の光が
目を開ける

 

 

 

 

遠くにみえる山々
赤い葉をいちまい
口紅の用意が整う
顔を洗った両手で
飴の袋を破り捨て
一粒じっくり味う
空に写しだされた
日々の敬意への色
明日の目覚めには
言葉など必要ない

 

 

 

 

わたしはわたしの影に恋し
わたしの影はわたしを探す

 

 

 

 

飛びたつ鳥の群は
彼らの約束の中で
静かに動いている
沈黙の中にひそむ
安心と寛ぎの交差
触ることない愛は
既に含まれていた

 

 

 

 

時計草が
語りだす 
光のコト
聴く耳は
整いつつ
聴く心は
騒ぎだす

 

 

 

 

あらゆるものが
自ら意志を抱き
見つめあいつつ 
自らを確かめる

 

 

 

 

意味があるとしたら
ここに吹く風よりも
ここから流れていた
時間の優しさだろう

 

 

 

 

一杯の紅茶
飲み干す頃
あなたと私
どんな音に
なるだろう

 

 

 

 

ひと文字を
探す旅の風
犬の手の中
猫の髭の中
鳥の声の中
木の葉の中
石の苔の中
空白に入る
ひと文字の
言葉は何処

 

 

 

 

初めて
逢った
あの時
そこに
あった
匂いが
ここに
あった

 

 

 

 

霧のように
湧きあがる
静かな想い
にんげんは
いろいろと
考えふける
心の中には
ふんわりと
たちこめる
霧が現われ
なにかしら
問い続ける
自分がいる
心の曖昧な
風景の中で
大切な事を
感じる前の
確かな風景
急ぐことも
焦ることも
必要ない事
どんな時も
風景は少し
動いている

 

 

 

なにも生み出さない
見過ごしそうな風景
ただ流れていく時が
とても大切に感じる

 

 

 

ほほ笑む口元は光り輝き始め
鼻歌は吐息に色をつけていく
抱きしめていたまあるい箱を
小さく小さく折り畳み食べた
ふんわり甘酸っぱく美味しい
おかわりの箱はもうすぐ届く

 

 

 

踏んでしまいそうになる
小さく可憐な花一輪とも
人の一生の些細な場面で
深く大切に絡みあってる

 

 

 

やかんのお湯が沸き
濃いお茶を飲みます
ひとりひとり味わう
暮らしの旅の温かさ

 

 

 

呼鈴を鳴らす
昼間のお月様
忘れ去られた
荷物のように
静かに座った

 

 

風景はいたるところにある
たとえ浴室でもトイレでも
そのヒトを包み込む風景の
ひとつまたひとつでもある
風景にならない風景がある
光が差し込まない暗闇の中
いや暗闇もまた風景なのだ
目では見えない風景もある
それは心の中の風景である

 

 

 

誰かが何かを
探し続ける今
誰かが何かを
見つけている

 

 

 

珈琲にミルクをいれた
どこまでが珈琲なのか
どの辺までがミルクか
境を失くし混ざりあう
あたなとわたし外と内
わたしとあなた地と空
すべてに境を失った時
煌めくカタチが現れる

 

 

 

 

都会を見下ろす白鷺は
ビルの谷間へと消えた
なぜかはじめの一歩で
白鷺のいるあの小川に
辿り着く気がした午後

 

 

 

 

雲がない空はなんの魅力もない
鳥の声を無造作に置き去りにし
人の想いに薄い膜を張り巡らす

 

 

 

 

はじめましての瞬間
見たこともない風が
鏡の中で笑っている

 

 

 

 

あんぱんをつぶしてから
パクパク食べる男がいた
ふっくらと焼きあがった
ツヤツヤ輝くあんぱんを
彼女を抱きしめるような
優しく温かい仕草と手で
丁寧にあんぱんをつぶす
その男はクリームパンも
丁寧につぶすのだろうか
男は夕陽を浴びながらも
つぶしたそのあんぱんを
嬉しそうに店先で食べた

 

 

 

 

秋の木漏れ日
朝露を輝かせ
人の気持ちは
瞬く間に笑う
水に写る人影
池の鯉は集り
ある日のこと
助けたあの亀
いつもお礼に
必ず姿を現す
誰かなにかを
想い膨らまし
膨らむ想いが
ひとかけらの
煌めくカタチ
誰かに伝わる
想いの粒たち
余白に輝くは
木漏れ日の愛
余白ぬけだし
道に光を照す
こっちこっち

 

 

 

 

いつもの道々
いつもの言葉
いつもの笑顔
いつもの溜息
いつもの欠伸
いつものって
風のかがやき
いつものって
生きるちから

 

 

 

 

チリンチリンと鐘が鳴る
雀は群をなして飛び立ち
空中楽譜はジャズを奏で
弾かれた音は多くの人の
手のひらにポトンと落ち
一気にパクリと食べれば
やさしい味に目を閉じる
いちにのさんで目を開け
抱き続けてる夢と希望が
そこにかたちを現してる

 

 

 

 

小高い丘の上に立つ
いつかの夢が舞降り
写真を撮る後ろ姿に
息を吹きかけ始める
いつかまたここでと
語り合う風の中には
無意味な約束だけが
点々と浮遊している
大地を駆け巡る光は
いちまいの写真から
いくつもの絵巻物を
瞬時に創りはじめた
光は無邪気に笑って
絵巻物の続きを探す

 

 

 

 

見たこともない
洋服を着ている
誰がくれたのか
ソファーで寝た
見たこともない
帽子を被ってる
誰の忘れものか
バスの中で寝た
見たこともない
靴を履いている
誰と交換したか
ベットで寝てた
洋服帽子靴全て
家の中にあった
誰からの贈物か
その洋服を着て
その帽子を被り
その靴を履いて
組合せはハズレ
それでいいです
振り向いた方の
素敵な贈物です

 

 

 

 

すれ違う鼓動の中
でたらめな優しさ
整理整頓されてる
ノートの上のペン
一本のペンだけが
不協和音をいじる
心地いい虚無感は
音を食いものにし
でたらめな優しさ
お腹を空かしてる

 

 

 

 

白湯をひとくち飲み
ビスケットを食べる
風は豊かな色の葉に
少し揺らぎをあたえ
揺らぎは地上に落ち
世界中の言い伝えを
ひっそりと語りだす

 

 

 

 

それがいい
気持ちいい
あれがいい
心たのしい
夢が希望が
ふるふると
舞い降りる
掴めば弾け
弾けて光る
すぐにそこ
そこにいま

 

 

 

 

夢の余韻にひたる朝
布団の中で夢を描く
冬の支度が整う寒雀
一羽とは思えない声
ひんやり空気の中に
新しい世界の愛の詩
いってらっしゃいと
葉が大きく揺れ動き
いってまいりますと
笑顔で小さく足踏み
幸せな空に向かって
寒雀の光の羽が輝く

 

 

 

 

男は振り向いていった
いいおまじないがある
みんなが幸せになれる
おまじないを知ってる
だれかのおまじないが
男に降りそそいでいる
振り向くと男はいない
きみのおまじないだけ
ゆっくり静かに届いた
男は幸せな顔を浮かべ
音もなく自転車の鍵を
すべて開け始めだした

 

 

 

 

影の息吹は 
抱く情感を
真空パック 
にしている

 

 

 

 

ひとつ蹴る
ふたつ蹴る
みっつ蹴る
蹴った石を
手のひらに
ほらのせる

石をひとつ
ちょうだい

はいどうぞ

石をふたつ
ちょうだい

はいどうぞ

石をみっつ
ちょうだい

はいどうぞ

手の平の石
右から左に
左から右に

両手の上の 
あの日の石
巨木の下で
わらってる 

コロコッコ
コッコロコ

 

 

 

 

川は静かに奏で
風も静かに踊る
名も知らぬ花は
時に身をゆだね
名も知らぬ虫は
かれらの世界で
深い眠りにつく
目覚めたその時
川には風の船が
準備が整ったと
笑いながら待つ
目指す旅路へと
全ては歩を出す

 

 

 

 

風景を見ているようで
じつは自分をも含めた
誰かを想い出している

 

 

 

 

早口で話す人のねじを
ほんの少しだけゆるめ
ひとつぶも残さないで
言葉を拾い並べかえる
ゆっくり文字を見れば
泣いている人の笑顔が
言葉の隙間に隠れてた

 

 

 

 

アナタはなにを
してるのだろう
オマエはなにを
してるのだろう
食べたさかなは
水の中でなにを
してたのだろう
食べたやさいは
地の中でなにを
してたのだろう
あのクッキーは
缶の中でなにを
してたのだろう
夢の世界の道は
どこにあるのか
ひとつぶの飴は
どんどん溶ける

 

 

 

 

鳥は指揮者となり
黄色い羽を震わす
花は眠りから覚め
草は勢いよく直立
想いの足先を奏で
ふるよふってくる
喜びの雫幸せの光
鳥が羽でさす先に
世界の笑い声響く

 

 

 

 

ひとつひとつの
階段で待つ風は
ひとつひとつの
銀杏の葉と遊ぶ
とてつもない程
静かな時空間に
微笑みが浮かぶ
おついたち参り

 

 

 

 

ちょうどいい
風が吹いてた

 

 

 

 

あの時
キミは
此処で
笑った

 

 

 

 

さびしさを
なめつくす
そんなごご

 

 

 

 

あなたはここにいた
わたしもここにいた
アナタはここにいる
ワタシもここにいる
世界が変わり始めた

 

 

 

 

キミの住んでる街が
あくびをして目覚め
白い月は誰かの荷物
主人を探し出そうと
無表情で浮かんでる
閉め忘れた窓からは
テーブルの上の葉を
あちこちと揺らす風
ごはんが炊ける香り
お味噌汁の湯気の中
白い月のほほ笑みを
見つけた見つかった

 

 

 

 

いつも
いるよ
ここに

 

 

 

 

季節を吹き抜けていく風に
気持ちを込めて立ち止まる

 

 

 

 

少しの感情も
そこにはなく
じっと佇んで
見える風景に 
心うばわれる
ときおり風が
はこんでくる
観えない風景
感情がうごく
木々の間から
静けさだけが
漏れ始めた時
二つの風景は
笑い転げだす

 

 

 

 

古の記憶が
混ざりあい
にじみあい
いまに蘇る
そんな空が
たまにある

 

 

 

 

 

冬の光が顔を照らす

光は大きくふくらみ
忘れかけていた愛を
物静かに語り始める
街は笑い自然も笑い
お腹を抱えて涙する

 

 

 

 

冬の空に輝く北斗七星
柄杓の水がドアを叩く
サインをして水を頂く
あの日注文した水だと
シクラメンが笑いだす

 

 

 

 

たったひとつの
確かさのために
はにかみながら
手をあげてみる
気まぐれな風の
歌を追いかけて
手をあげ続ける

 

 

 

 

強い時は
強さしか
みえない
弱い時は
弱さしか
みえない
笑うとき
声が響き
泣くとき
愛が響く

 

 

 

 

どんな迷路に投げ込まれても
瞳は行きたい場所を知ってる
遠い記憶の中の出来事でさえ
足の裏は確かに記憶をしてる
走るのか歩くのがいいのかは
たましいの合図を聴いている

 

 

 

 

そうなって
ああなって
思うように
ならなくて
考えなんて
なくなって
ふりだしに
一気に戻り
想いだけが
うごきだす

 

 

 

 

時衣を身にまとい
軽やかに手をあげ
滑らかに足をふむ

 

 

 

 

突き当りを左に曲がると
涙の捨て場所があります
捨てる涙はそこにどうぞ
そうひとつ教えましょう
チョコレートをひとつぶ
食べながら歩いていくと
真実が微笑んでくれます
笑いましたね笑いました

 

 

 

 

大きく翼を
ひろげてる
鳳凰がいた
いい笑顔で
たおやかに
話していた
その鳳凰の
話す言葉は
ゆったりと
風になびく
足をあわせ
お辞儀する
その姿には
煌めく光が
降りそそぐ
振り返ると
その鳳凰は
人間だった

 

 

 

 

冬の光は地に
あみだくじを
愉快におとす
甘い影の誘惑
鼻息を荒げて
この影踏んで
あの影踏んで
あそこの影を
不器用に踏む
冬の光と風は
遊びが上手い
さっきの影は
跡かたもなく
思考は停止し
遊ぶ影まかせ

 

 

 

 

ソファーに横になり
ピアノの演奏を聴く
いつの間にか眠るが
激しく鍵盤を叩く音
その激しさが見事に
心の疲れに呼応した
奏者の手はすべてが
打楽器になっていた
ピアノに対する愛が
音にふくまれていた
いつだったかどこか
そんな男と女がいた

 

 

 

 

そっちか
あっちか
どうでも
いいこと
こっちも
とにかく
すべてが
真実の姿

 

 

 

 

どれどれ
あなたの
その声は
ひっそり
話しても
おおきく
聴こえる
不思議な
チカラが
あります

 

 

 

 

想像や意識を超えたとき
最も美しい必然が起きる